きみくじ当てます
「何かって?」
柊は首を傾げている。
まるい目が不安そうに揺れた。
「何か…細工とか」
「しないよそんなの」
柊はおかしそうに吹き出した。
だろうな。
こんな子どもの遊びみたいなことにいちいち細工なんかしてらんないよな。
柊は何もしてない。
ただはずれただけだ。
「ごめん、話ってこれだけ。わざわざありがとう」
「そうなの?全然いいよ、楽しかったし。じゃあまたね」
柊はまた手を振って去っていった。
俺もゆる~く手を振りながら考え込む。
なんで?
なんで真宏だと必ず当たるのに柊だとはずれるんだ?
何か法則でもあんの?
でもこれは運なんだし法則なんて……
「痛って!」
考え込む俺の頭にバシンと衝撃が走った。