きみくじ当てます
「何やってんの遼平」
台本を持った真宏が後ろに立っていた。
なるほど、それで俺を殴ったわけ?
「何も。話してただけ」
頭をさすりながら真宏のほうに体を向けると、真宏は胸の前で腕を組んだ。
うわめんどくさ、説教ポーズだよ……
「あの子に何したんだよ」
「……何も」
キャラメル隠してもらっただけ。
「修羅場ってたね」
「何が」
「叫んでたじゃん」
「誰が」
「遼平」
「何て」
「好きだって」
言いながら真宏はぷっと吹き出した。
ちげーよ!
誤解だそれは。
真宏はツボにハマったらしく、腹を抱えて笑っている。
「『嫌いじゃねーよ!むしろ好きだ!』」
「バカ!キャラメルのことだよ」
「はぁ?キャラメル~?」