きみくじ当てます
【優那】
久賀くんに初めて会ったのは、散歩の途中に通りかかった墓地になぜか久賀くんが寝ていたから。
ぎょっとしたけど、同じ高校の制服だったから気になって、眠る彼の隣にそっと膝をついた。
つけたままのプラスチック製の名札を覗き込むと、【久賀】の二文字。
ああ、この人ってもしかして、噂の久賀くんかな。
いつも一緒にいる九条くんっていう人と、並んで人気が高い女の子の憧れのオトコノコ。
確かに綺麗に整った顔をしているなぁと興味津々で眺めてたけど、久賀くんがあまりにも目を覚まさないから心配になってきた。
そっと起こすと寝ぼけた目で私を見て、口を開けばイメージが崩れた。
その、今まではなんだかクールで近寄り難い人だと思っていたものだから……
それからは、校内でも私を見かければ声をかけてくれるようになって
ちょっとしたときに笑う久賀くんの目の細めかたとか
ふざけたジョーダンとか
なんだか私は、どんどん久賀くんのことを知りたくなっていった。
そしたら久賀くんも同じように思っててくれたことを知って、とっても嬉しかった。
だから、久賀くんと一緒に過ごすことを了解したの。