きみくじ当てます
2つのポーチ
と、いうわけで。
なんかよくわからない俺と柊の関係は始まった。
『まずはお友達からで』みたいな。
いや違うな、『お互いの正体を探る会』みたいな。
……違うな。
とにかく、付き合ってますとかそういう甘い感じでも浮かれた感じでもなく、まるで彼氏のようにつきまとうことを許してもらったので。
俺はさっそく放課後、柊を誘った。
一緒に帰ろう、と。
柊を迎えに隣のクラスに行くと、みんな一斉に、そりゃもう興味津々でこっちを向いて、わけを聞きたそうな友達をごまかして柊がきてくれた。
いや待て、誤解するなよみんな。
付き合ってるわけじゃないんだ。
一緒に帰るのは話をするためで……
そんなことを言っても下手な言い訳にもならないので何も言えず、好奇の目から逃れるように柊の手を引っ張って学校を脱出した。