きみくじ当てます


校門を出たところではっと気づき、慌てて柊の手を離した。


「すまん。つい、うっかりと」


謝りながら振り向くと、柊は急いだせいか頬を赤くして首を横に振った。


「ううん、いいよ。私も早く学校出たかったし」


「そ、そっか」


「うん…」


「………」


「………」


話のネタが思いつかなくて、なんだか急に焦りがでてきた。

誘っといてこの会話のなさじゃダメだろう。


えーと、えーと


「「あのっ」」


しまったー!!


「ご、ごめんなに?」


「えっ?えっと、なんでもないや!」


柊が言い終わるか終わらないかのうちに目があって、なぜか二人とも急いで目をそらした。



ってなんだこの雰囲気!

なんかほんとに付き合いはじめの初々しいカップルみたいじゃねーか。


誰か助けてくれ!



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