きみくじ当てます


「やるじゃねぇかぼうず、お見それ致した!よかったなあ嬢ちゃん!」


柊はオッサンからポーチを受け取りつつも、オッサンからにかっとした笑顔を向けられてぎこちなく頷いている。


「は、オッサン、俺に勝負を挑もうなんざ100年早ぇよ」


「言ってくれんなあ、がっはっは」


オッサンは豪快に笑い、今度は柊に箱を差し出した。


「ほら、嬢ちゃん。ぼうずの強運に免じて一回サービスだ。引きな」


「……、え?」


ポーチをぼんやり見つめていた柊は、数秒遅れて反応したあとに俺を見上げた。


「引いていいってよ。よかったな」


「えっ、いいの?ありがとうおじさん」


柊は律儀にオッサンにお礼を言って(同時にエロオヤジの鼻の下が伸びた)、箱に手を突っ込んだ。

しばらくゴソゴソかきまわしたあと、ようやくこれと決めて手を引き抜いた。


「どれ、番号は?」


オッサン、チャンスとばかりに近寄ってんじゃねーよ。

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