きみくじ当てます
あんパンと双眼鏡
「みてみて、久賀くん。昨日のポーチ、ペンケースにしちゃった。ちょうどいいでしょ」
「あ、俺も。いいよな、大きさがしっくりくるというか」
「ね!使いやすいし。あ、そうだ。お昼どこで食べようか」
「そうだなー、中庭にでもいくか」
「いいね、じゃあまたあとでね」
ひらひらと手を振って去っていく柊に、にこやかに手を振り返していると。
ぽん、と肩に手が置かれ、振り返ると真宏が眉を顰めて立っていた。
「なに、二人。まさかマジで付き合ってんの?」
何を言ってるんだこいつは。
「付き合ってねーよ。お前知ってるだろ」
「いやいや、今のはまるっきりカレカノの会話だった。俺が口を挟む隙もないほどの」
顎に手をやって、うんうんと頷いている。
「しかもお昼も一緒ときた。これは誰がどうみても…ねぇ?」
「うるさいな真宏は。俺がいなくてさみしーだけだろ、黙って台本とにらめっこしてな王子様」