きみくじ当てます
そう言ってやれば、その分厚い台本で頭を殴られた。
くそ……
やり返そうにも俺のはペラペラすぎて役に立たねぇ!
なぜなら最後の章のとこだけだからだ。
出番ないからね。
「あのさぁ、俺は忠告をしてやっているんだよ。わかってる?遼平」
「忠告ぅ?何のだよ」
わけがわからないという顔をすると、真宏はやれやれと首を横に振った。
「腹が立つけど簡潔に言ってやろう。遼平はモテる」
ビシッと俺を指差してきて、俺はむっとしながらその手を掴んで下ろさせた。
「バカか。モテるのはお前だろうがこの遊び人が!」
知ってんだぞ!
真宏の女がころころ変わってんの!
それに比べたら俺は
つ、付き合ったこともねーよ。
「何を言ってるんだい遼平ちゃーん」
真宏はぷっと吹き出し、わざとかのように腹の立つバカにした笑顔を浮かべた。