きみくじ当てます
「遼平は結構人気あるんだよ。だけど今まで女の子が積極的に来なかったのは、遼平がいっつもダルそーで機嫌悪そーで近寄り難かったのと……」
そこで区切って、真宏はにこ、と笑った。
「近寄ってきた子を俺がいただいていたからだったりする」
「おめーかよ!」
お前が俺を餌にして漁ってたからかよ!
真宏は悪びれもせず、ハハハと笑っている。
こいつの甘いマスクに騙される女も女だな。
「遼平が悪いんじゃんか。女の子の気持ちにも気づかないで我が道を突っ走るからだよ」
「我が道を突っ走ってた覚えはねーぞ」
「と、まぁ、俺のことは置いといて。柊ちゃんだよ柊ちゃん」
急に真面目な顔になって、俺の机の上に置いてあるポーチを指差した。
「確かに一緒にいてみろと言ったのは俺だよ?でもまさかこんなにベタベタするとは思わなかった。お揃いのポーチまで持っちゃってさ」
お揃いじゃない。
柊のはオレンジドットで俺のは黒ボーダーだ。