きみくじ当てます


「はーい、席ついて!ほらそこ座る!」


教室に入ってきた国語教師が俺たちに向かって高い声で叫んだので、真宏はちっと舌打ちした。


するなよ舌打ち。
お前王子様だろ。


「とにかく、柊ちゃんのまわりには気をつけてやんなよ」


そう念を押すように言い捨てて真宏は席に戻り、俺も窓際の席についた。

前からプリントが回ってきて、ぼんやりとそれを受け取る。


……気をつけろって言われてもねぇ


何を気をつけたらいいんだ?

襲うなってことか?

いやいや真宏じゃないんだから――


「はい、終了。裏むけて前に渡してー」


「げ!?」


このプリント豆テストだったのか!

一文字も書いてねー!


「センセーイ、あと二分……」


「ダメ」


鬼教師―――!

だからいまだに結婚できねぇんだよ、鬼だから。


「なんか言った?」


「なンも言ってませン」


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