きみくじ当てます
俺はガラポンの取っ手に手をかけて、ぐるぐるまわした。
片手はポケットに突っ込んだままというテキトー加減。
結果わかってるし、真剣にやれって言われてもね……
ポン、と転がりでた銀の玉。
オッサンは、ぱかっと口を開けて銀の玉を凝視していた。
「そんじゃ貰ってく。サンキューオッサン」
俺が自転車に跨がると、オッサンはやっと我に返ってベルを鳴らした。
「出たああ!!二等!!おめでとさん!!!」
ガランガランとベルを鳴らす騒がしいオッサンに引きつけられて、街の人たちがなんだなんだと集まってきた。
やべ、逃げよ。
オッサンに絡まれる前に、俺は命からがら戦利品に乗って街を抜け出した。