きみくじ当てます
【優那】
「え……っと?」
久賀くんが私の側を離れていった途端、3人の女の子たちから取り囲まれて、いつの間にか校舎の壁に追いやられていた。
白くて冷たい壁に肩がぶつかって、どうしようもなくなってしまった私は取り囲んでいる女の子たちに順に視線を泳がせるしかなかった。
「ねぇ柊さん。私たちにも教えて欲しいんだけど」
私の真正面にいる女の子が、にこにこと口を開いて、私は緊張に身を固めた。
「教えるって何を?」
「やぁだ、とぼけてないでー!久賀くんに近づく方法よ。どうして柊さんみたいなふつーの女の子が久賀くんと仲良しになれたの?」
そこで私はようやく、女の子たちの目的に気がついて、笑顔の奥の鋭い棘にも気がついてしまった。
はっ
そういえば……
久賀くんって女の子から人気があるんだったっけ!!
急に血液がサァーッと下におりていって、私は口をぱくぱくさせた。
「あのっ、あのっ…」
「えー、何?何て言ったのー?」
そう言って女の子が私の顔の横に手をついた瞬間、上から大きな声が降ってきた。