きみくじ当てます
「こらーっ!!お前ら何やってんだよ!?」
「久賀くん!」
頭上に顔を向けると、3階の窓から身を乗り出して怒った顔で叫ぶ久賀くんの姿が目に飛び込んできた。
「弁当を取り上げたら柊がかわいそうだろ!」
パン、と隣にいた九条くんに頭を叩かれるのが見えた。
「今からそっち行くからお前らちょっと待ってろ!」
頭を叩かれて、九条くんを睨んでからそう叫ぶと久賀くんの姿が視界から消えた。
く、久賀くん……
「やん、隠れ天然なとこも可愛すぎ!」
「このまま叱られるのもいいけど、印象悪くしたくないし。またね、柊さん!」
女の子たちは当然ながらちょっとも待ってくれるはずはなく、急いで中庭の奥に消えていった。
私がその後ろ姿を目をぱちぱちさせながら見送っていると、息を切らした久賀くんと九条くんが私のところにやってきた。