きみくじ当てます

「もう柊からなるべく離れないようにしないとなぁ」


「………っ」


はっとして、下げていた顔を上げると、胸に手を当てて固まっていた私に、久賀くんはにっと笑った。


「な、何で？」


ここは普通、もうお互いに近づかないでいようって言うところだよ……

仲良くなったのはつい最近なのに、どうしてそんな風に言ってくれるの？


「何でって、柊から目を離したらまた狙われるかもしれねーだろ」


そう言って、九条くんの肩に手を回している。


「な、真宏。そういうことだろ？」


「そういうことっちゃ、そういうことかな」


九条くんも頷いて、久賀くんは満足そうに笑みを深めた。


「ということで決まり……」


「王子――！家来その１――っ！」


「うぉっ山崎！！」


急に女の子が私たちのほうに突進してきて、私はびくっと身構えた。

女の子が飛びかかってくると九条くんはひらりと交わし、かわりに久賀くんの襟を掴むと、激しく揺すり始めた。


「大変なのよ久賀――！この世の終わりだわー！！」