きみくじ当てます


久賀くんはようやく立ち上がり、頭をぽりぽりかきながら首を傾げた。


「で?その栗原の役ってーのは、なんだったわけ?」


「妖精」


「妖精ってお前…、そんなの他の女子にもできるだろ。そこまで慌てることじゃ」


「だーめーなーの!あのちっこくてほわふわ~できゅんきゅんな子の代役なんてそうそういるもんじゃないわ!」


「お前何言ってるか全然わかんねーぞ」


久賀くんはちょっと引いてる感じで山崎さんから距離を取った。

私も山崎さんが何を言いたいのかよくわからなかったのに、九条くんには山崎さんの言いたいことがわかったようだ。


「山崎、俺知ってるよ。栗原ちゃんに負けず劣らず妖精の役ができる子」


にっこりとして九条くんが山崎さんの肩を叩き、山崎さんはぱっと顔を輝かせた。


「ほんとに!だれよそれ、うちのクラスにそんな子いた!?」


「いーや、うちのクラスじゃなくてぇ」


ちら、と九条くんが私のほうを見た。



え?


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