きみくじ当てます

何も考えないで自転車を漕いでたら、いつの間にか街はずれの小綺麗な墓地まで来ていた。



墓地って俺……


もっと他に場所あったんじゃねーの……


だけど疲れていたというのもあって、俺は自転車を降りて草の上に寝そべった。


雲がぷかぷか空に浮かんでいる。


そういえば最近空みてなかった。

白い鳥が一羽、頭上を過ぎていく。


俺はそれを見届けてから、目を閉じた。



こんなことできるのも、ここに誰もいないからだよなぁ。

いたら変な目で見られる。



「あのぉ…、すみません」


って、いたのかよ。


寝そべって空を眺めていた俺の目の前に、ひょいっと女の子の顔が現れた。


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