きみくじ当てます


また柊が台詞の練習を始めてしまって、構ってくれる人がいなくなってしまった俺は

教室の隅に追いやられている机のひとつに突っ伏して暇をもて余していた。


だから山崎がつかつかとこちらにやってきたとき、説教だろうが何だろうがなんか嬉しかった。


「久賀!あんた暇でしょ。暇すぎて死にそうでしょ?」


「別に死にそうではないですけど」


干からびそうなだけで。


山崎はにこっと笑い、まるめた台本をぱんぱん左の手のひらに打ちつけている。


「明日さぁ、ちょっと買い出し行ってきてよ」


「明日ぁ?明日学校休みだろー。今日じゃだめなのかよ」


「だめ。大量にあるんだから時間がかかるの」


「俺に休みを潰せっていうのか」


俺と山崎のやり取りをしれっと聞いていたらしい真宏がひょいと手をあげた。


「俺も行くよ。ついでに買いたいものあるし」


「ありがと九条~。よかったじゃん久賀、じゃ任せたからね」


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