きみくじ当てます
「まだ行くとは言ってないだろー!」
「まぁまぁ遼平。久しぶりに俺とお出かけだよ?もっと喜べよー」
「……。お前のその顔は、何か企んでる顔だ」
「やだな。企んでねーよ?遼平は俺が信用できないっていうのか」
「できねー!」
肩に腕をまわしてくる真宏の腕を逃れ、信用してない目を向けてやると真宏は楽しそうに笑った。
「別に信用されてなくてもいっけどぉ。それより明日、駅に10時集合ね」
「行かねーよ」
「そんなこと言って遼平は絶対来てくれるって」
ケラケラと笑いながら真宏は練習の輪に戻っていき、俺はただただ眉を顰めた。
いつもながら何を考えているのかわからない……
ただ、何か企んでるのだけは間違いない。
行かなかったらまたぐちぐちしつこいんだろうな、女のように。
俺ははー、とため息をついて、休日を真宏に捧げることを決意した。