きみくじ当てます


なんて少々落ち込みながら、真宏に怒りの電話でもくれてやろうと携帯を取り出し、真宏の番号に発信しようとしたときだった。


「久賀くん!」


ん?


聞き覚えのある女の子の 声に顔をあげて、俺はぎょっとして携帯を落っことした。


「ひ、柊!?」


なんで柊が!?

なんでここに!!



柊は急いで来たようで、息を切らして膝に手をついている。


「ごめんね、昨日の夜九条くんから電話があって……行けなくなったから久賀くんの買い物に付き合ってくれって言われたんだけど」


彼女はそこで大きく息継ぎをして体を起こし、困ったように笑った。


「寝坊しちゃったの」


「………」


俺は携帯を落っことしたポーズのまま、言葉をなくして突っ立っていた。




また、柊かよ。


ていうか真宏のやつ俺を嵌めたな。


いやいやそれはおいといて、だ。


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