きみくじ当てます
1コール後、真宏は待ちわびていたようにすぐに電話にでた。
「どうした遼平!何かあったのか!」
「どうしたじゃねーよお前。俺を嵌めようなんていい根性してんな」
くそ~、どうでもいい芝居までしやがって。
何て言ってやろうか口角をピクピクさせていると、真宏はケラケラと笑った。
「嵌める?やだな。俺はただ風邪をひいたんで、柊ちゃんにかわりを頼んだだけなんだぜ」
「~~っ。……もういい、真宏」
ため息をつき、携帯を当て直して声のトーンを落とす。
「話があるんだ。重要な話が」
真宏も俺の雰囲気が変わったのに気づいたのか、いつものようにふざけた返事は返してこなかった。
「……今からか?」
「いや、いまはちょっとまずいんで、学校で話す」
「了解ぃ」
「ということだから、じゃーな。ていうかお前、覚えとけよ」
「はっ。10年早いね」