きみくじ当てます


バカにしたような笑いのあと、通話が切れた。


「いまの九条くんだよね?大丈夫そうだった?風邪ひいたってきいたけど」


柊が心配そうに眉を下げたから、俺は首を横に振りながら携帯をパタンと閉じた。


「大丈夫。あいつは風邪ひいたところで寝込むようなやつじゃないから」


しかも絶対風邪ひいてねーし。

ピンピンしてるはずだし。


「それより、買い物だよ。何を買いにいきゃいいのかさっぱりだ」


山崎に買い物を頼まれたものの、何を買ってくるかは真宏をあてにしていたからわからない。


「あ、それならわたし、九条くんから聞いてメモ書いてきたよ」


柊が小さなショルダーバックの中をごそごそ漁り、メモらしき紙を取り出した。

それを受け取って内容を見るなり、俺は眉を寄せた。


「……山崎は俺をほんとに家来その1とみなしてるんじゃなかろうか」


風船、衣装生地、お姫様のティアラ、カッター、しゃぼん玉、妖精の髪飾り、ガムテープ、油性マジック、カラーフィルム、猫耳、チョコレート、ビスケット、茎わかめ……etc.


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