きみくじ当てます

携帯……



俺はポケットに入っていたそれを取り出し、脱力して見つめた。


そっか、そーじゃん。

こいつを使えば一発じゃねーか。


何やってんだ俺……



アドレス帳を開き、柊の番号を探しあてると、発信ボタンを押して耳にあてる。


呼び出し音の前の、接続音のちょっとマヌケな音を聞きながら顔をあげると。



……見つけた



接続音が呼び出し音にかわり、柊の携帯からの着信音が耳に届いた。


ガラスに張り付いていた柊は我に返ったようで、慌てて携帯を取り出している。


「もしもし！」


「もしもしじゃねーよコラ」


「わっ！？」


背後から柊の携帯を取り上げてやると、柊は心底驚いたようで目をまんまるにして俺を見上げた。


「なに一人で和んでんだよ。俺がどんだけ探しまわったと思ってんだ」


今までにないくらい探したよ。

当たり前だけど。