きみくじ当てます


しっくりくるティアラを見つけたのかと思ったら、ティアラじゃなかった。


それはオレンジ色の帽子がついた髪飾りで、久賀くんはわたしの頭に手を伸ばした。


「えっ、な、なに」


「ちょー、じっとして」


「………」


じっとしてって……


久賀くんの胸板が目の前にあって、髪をいじられていて。

そう言われなくてもわたしは動けなくなっていたと思う。


「うし」


どうやら付け終わったらしく、久賀くんの体が少し離れた。


「おお、やっぱり柊はみかんみたいなオレンジが似合うよな」


「そ、そうかな」


頭に片手をやりながら照れ隠しにそう言った。


久賀くんに似合うって言ってもらえるとなんだか嬉しい……


胸がとくとくなるのを感じながらちょっとだけ俯くと、久賀くんが眉を寄せて覗き込んできた。


「柊顔赤いぞ」


「えっ?赤くないよ!」


やめて、そこ突っ込まないでー!


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