きみくじ当てます
【優那】
今日は放課後の劇の練習は休みで、早く家に帰れそう、だなんて思っていたのに
担任の先生に手伝いを頼まれてしまって結局遅くなってしまった。
久賀くんももう帰ってるよね。
一緒に帰るときはたいていわたしの教室に迎えに来るか昇降口で待ってるかしてるけど……
そう考えながら昇降口に着き、そこに久賀くんの姿がないことにちょっとさびしいと思ってしまった。
で、でも!
今日はなんか気まずいし!
昨日、ちょっと変な感じになっちゃったから……
うっかり昨日のことを思い出してぽわっとほっぺが熱くなる。
ううう、わたしったら~
「柊さん?」
熱いほっぺに両手をあてていると、後ろから声がかかった。
この可愛い声には聞き覚えがある。
ていうか、絶対間違いない。
「河野、さん?」