きみくじ当てます


「昨日?」


「音がしただろ、俺らが話してるときに。やっぱあれ、誰かがこっそり聞いてたんだよ」


「あれか……」


ふむ、と俺は昨日の放課後に思考を巡らせた。


カタンという音がして、見にいったけど誰もいなかったんだよな。


でも、俺の運が強くて、柊が俺の運を下げるっていう話は

あのときしかしてないはず。


やっぱり、あそこに誰がいたのか……。


「一体誰が?」


「それは柊ちゃんに聞かないかぎりわからないな。ただ、それが今できない状況なわけだけど」


フン、と真宏に鼻で笑われて、言いかえそうにも言いかえせねー。


まーな。


話しかけに行こうにも逃げられるのがオチだよな。


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