きみくじ当てます
「は?わかってんのか?誰だよ」
「教えなーい。自力で犯人探すんだな」
自販機行ってくる、と言って去っていく真宏の背中を恨めしく睨みつけ、はぁ、とため息をついた。
自分で探せと言われてもなぁ。
俺、真宏みたいに頭の回転よくねーし……
まったく見当もつかないんだけど。
どうしたらいいんだ。
やっぱ柊に聞くのが一番なわけだけど、無理無理な状況だし……
珍しく頭を使って考え疲れた俺は、自分もオレンジジュースを買いに行こうと財布を探して鞄の中に手を突っ込んだ。
………ん?
手に触れたのは財布ではなく、昨日柊に投げ返されたオレンジドットのポーチ。
俺はなんとなくそれを手に取って、
「あ」
と声をあげた。
これ、使えば柊と話できるんじゃねぇか?
思い立ったらすぐ行動、他に思いつくこともないので、ポーチを手に俺は教室を飛び出した。