きみくじ当てます


「は?わかってんのか?誰だよ」


「教えなーい。自力で犯人探すんだな」


自販機行ってくる、と言って去っていく真宏の背中を恨めしく睨みつけ、はぁ、とため息をついた。


自分で探せと言われてもなぁ。

俺、真宏みたいに頭の回転よくねーし……


まったく見当もつかないんだけど。
どうしたらいいんだ。


やっぱ柊に聞くのが一番なわけだけど、無理無理な状況だし……



珍しく頭を使って考え疲れた俺は、自分もオレンジジュースを買いに行こうと財布を探して鞄の中に手を突っ込んだ。



………ん?



手に触れたのは財布ではなく、昨日柊に投げ返されたオレンジドットのポーチ。


俺はなんとなくそれを手に取って、


「あ」


と声をあげた。



これ、使えば柊と話できるんじゃねぇか?


思い立ったらすぐ行動、他に思いつくこともないので、ポーチを手に俺は教室を飛び出した。




< 92 / 148 >

この作品をシェア

pagetop