きみくじ当てます
【遼平】
あっれ~?
おかしいな、柊が見つからない。
教室覗いてみたけどいなかったし。
まさか、練習サボって帰った、とか?
柊に限ってサボるようなことはないと思うんだけどなぁ。
一応靴箱見てるみるか。
そう思って足をのばした靴箱に、俺に手を振る人影があった。
誰だ??
髪型からして柊ではないな。
「久賀くん!ちょうど良かった~、話があったの」
「…河野?」
俺はちょっと首を傾げた。
河野が俺に話なんて珍しいこともあるもんだな。
河野は首を傾げる俺をじっと見てから、クスッと笑った。
「柊さんの、話よ」
「は?」
柊の話?
「私、柊さんに頼まれたの。それ」
そう言って、俺が手にしているポーチを指差した。