きみくじ当てます


【遼平】




あっれ~?

おかしいな、柊が見つからない。



教室覗いてみたけどいなかったし。



まさか、練習サボって帰った、とか?



柊に限ってサボるようなことはないと思うんだけどなぁ。

一応靴箱見てるみるか。




そう思って足をのばした靴箱に、俺に手を振る人影があった。


誰だ??


髪型からして柊ではないな。


「久賀くん!ちょうど良かった~、話があったの」


「…河野?」


俺はちょっと首を傾げた。

河野が俺に話なんて珍しいこともあるもんだな。


河野は首を傾げる俺をじっと見てから、クスッと笑った。


「柊さんの、話よ」


「は?」


柊の話?


「私、柊さんに頼まれたの。それ」


そう言って、俺が手にしているポーチを指差した。


< 96 / 148 >

この作品をシェア

pagetop