Daddy Long ....
怖かった。
私を見る周りの目が怖かった。
見ず知らずの人間までもが私を責めているように見えた。
「おはよー」
「あ、おはよー」
学校へ近付くにつれランドセルを背負った小学生の姿が目に付くようになった。
自然と冷や汗が出てくる。
怖い。
怖い。
「あ、ねえねえ」
私の後ろから声がした。
「あれって、小山さんじゃない?」
「うわっ、今日も来てるよー。父親が人殺してるって言うのによく学校これるよね」
「本当だよね。父親がああなんだからきっとあの子もそういうことするんじゃないの?普段おとなしい人ってキレたらどうなるか分かんないっていうし」
わざと私に聞こえるように喋っているのか、クスクスと笑い声まで聞こえる。
目頭が熱くなる。
必死に涙をこぼさないように瞬きを何回もした。
もう帰りたい。
逃げ出したい。
こんな場所。
それでも私は学校へ向かった。
他にどこへ行けばいいかわからなかったのだ。