Daddy Long ....
廊下まで聞こえてくる皆の話し声。
楽しそうなその声を聞いて、心臓がドキドキする。
一度ドアの前で深呼吸をしてからドアに手をかけた。
ゆっくりとドアを開ける。
私が一歩足を踏み入れた瞬間、教室は一瞬で静かになった。
私はたまらず顔をあげて皆を見渡した。
そこには冷たい視線がいくつもあった。
慌てて下を向いて自分の席へと向かう。
机の間を縫って歩いて行くと、一つだけ何もない空間があった。
「あ・・・れ?」
私の席がない。
明らかに異様な光景だった。
教室のほぼ真ん中である私の席。
そこにあるはずのイスと机がなくなっていたのだ。
慌てて周りを見るけど皆は私を見てクスクス笑っていた。