Daddy Long ....
「君は優しいなぁ」
その言葉に今度は私が目を丸くする番だった。
自分が褒められるなんて何時振りだろう。
家ではいつも父に罵倒され、学校でも友達のいない私は根暗だと言われて、今ではまるで犯罪者扱いだ。
人にやさしくされることに慣れてなくて、今度は違う意味で涙が出てきた。
「え、ご、ごめん。泣かせるつもりはなかったんだけど…」
おじさんはそう言って優しく私の頭を撫でてくれた。
「君も辛いことがあったのか?」
「…おじさんも?」
おじさんの言葉に私が聞き返すとおじさんは困ったように笑った。
それからお互いに黙り込んでただ隣に座って時間をつぶした。
なにも言葉は交わしていないけれど、なんだか少しだけ気持ちが救われたような気がした。
それから私は学校が終わると毎日のようにこの公園に通うようになった。