Daddy Long ....
4.居場所


「何やってんのよ!!」

怒声とともにほほを強く叩かれた。あまりの痛みにしゃがみ込んでほほを抑えた。

美和子さんはそれでも気が済まないのか私の服をつかむと引っ張り上げてそれから私を床に投げつけた。

私の体は床にたたきつけられて、一瞬息ができなくなった。

「っ…ごほっ!」
「あんたに飯食わせて、寝るとこあげてやってんのに、人んちのもの壊すってどういうこと!?」

そう言って美和子さんが指さす先には、割れた食器が落ちていた。

私が食器を洗っているとき、手を滑らせて落としてしまったのだ。
その音を聞きつけてやってきた美和子さんは割れたお皿を見るなり激怒した。

「ご・・ごめんなさい」

「弁償しなさいよ!お年玉とか持ってるんでしょ!?それが社会のルールよ!」

「お、お金なんてないです」

「うそつくんじゃない!」

美和子さんはもう一度私を殴ってから背を向けて台所を出て行った。

行き先なら分かる。

私の部屋だ。

きっと部屋中荒らして、お金を探し出してるんだろう。

そんなことしても無駄なのに。



私はほほを抑えながら立ち上がると割れた食器を片づけるために放棄と塵取り取りに台所を後にした。
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