Daddy Long ....
12歳になった私の体には、もう消えないだろう痣が幾つもできていた。
自分の部屋に置いてある鏡にパジャマを脱いだ私の身体が映し出される。
とても綺麗とは言い難いその体を見て、堪らなく泣きたい気持ちになる。
「灯里ぃ!起きてるんだろう!さっさと飯の支度しろ!」
私が着替えようとクローゼットを開けると、父が私の部屋のドアを今にも壊しそうなくらい強く叩く。
「はい!今すぐ行きます」
私は急いでTシャツとジーンズを取り出すと、すばやく着替えて部屋を出た。
恐る恐るキッチンへ向かうと、父の姿はなかった。
キッチンを通して見えるリビングのソファでテレビを点けて新聞を読んでいた。
私はほっと息を吐くと急いで朝ごはんの支度にとりかかる。
冷蔵庫の中から昨夜の残りのオクラと鰹節の和えものと、野菜炒めを取り出す。
野菜炒めをレンジで温めてから、味噌汁作りに取り掛かった。
昨日の夜買っておいた鮭を焼いて皿に乗せて用意する。
ご飯と味噌汁とよそって、それらと野菜炒め、オクラの和えものを盆に載せてリビングのテーブルの上に置くと、お茶を用意しにもう一度キッチンへと戻る。