君が、あの夏だった。





昔は広かったその背中が小さく見えるのは、気のせいだろうか。






俺はあまり考えずに旅行カバンを持って階段を下りた。







カバンを玄関において居間に戻る。






「お父さん、お義母様、行ってまいります。」







朝食をとっている二人に向かってそういうと、ピリピリした空気がさらに冷たくなった。








義母は俺の方をチラっとだけ見て、フンッ!とあさってのほうを向いた。







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