君が、あの夏だった。




「私は認めていませんから、こんな無責任なこと!」





もう一度言って、義母はコーヒーをすする。





本当にあきらめない。




父はそれを聞いてゆっくりと言った。





「私がいいと言ったんだ。優は行く。」






義母はびくっと反応して、ガタッとたちあがった。




「あなたまで、何いい加減なことを言ってるの!!この子は跡取りなのよ!夏中何もしないでいる暇なんてあるわけないじゃない!」

「いい加減にしてくれ、彩音。たかがひと夏じゃないか。」

「たかがひと夏?!今の時期が会社にとってどんなに大事かあなたは知っているでしょう!」

「そりゃ知っているさ、けど、優は2年間がんばってきたんだ。少し休んでもいいだろう」

「ならこちらで休みながら勉強すればいいじゃない!どうしてわざわぁ田舎などに行かなくてはいけないの?!」








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