君が、あの夏だった。
「こら!!どこ行くの?!?」
「ちょっと遊びに行くんだよ!!」
「貴方、遊ぶより定期テストの勉強をしなさいっ!!」
ドタドタドタ
バン
ドンッドンッドン
思いっきり足音を響かせて大きな階段を下りる男子高生の姿が目に入る。
髪の毛を染めていて、耳にはたくさんのピアス、そしてたくさんのアクセサリー。
制服は原型が分からないほどに着崩されていて。
俺にはとてもかっこよくて輝いて見えた。
彼は玄関にたどり着いて、乱暴に靴を履く。