君が、あの夏だった。
2節・・・・・夏、逃げ道
2節・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最後の数枚のシャツを旅行カバンに入れて、ジーッとジッパーを閉める。
ふぅ、と一息ついていらないくらいに広い部屋を見渡す。
白と茶色で統一された殺風景な部屋には、どれくらいいても慣れない。
大きくて豪華な白いベッドに、キズ一つない白いタンス。
難しい参考書や小説が教科書がぎっしり並んだ茶色い本棚に、埃一つない小奇麗な机。