ホームレス
と、思っていたが、
「お前なんかに娘はやれん!帰ってくれ!」
そりゃそうだ。
彼女は泣いて父親にお願いをした。父親はまったく聞く気が無い。
「私の決めた人なら誰でもいいって言ったじゃない!」
例外はある。
「こいつは駄目だ!」
そりゃそうだ。
離れたところで母親がおいおい涙を流している。
俺は、立ち上がった。
一瞬皆が静かになった。
「お邪魔しました」
俺は黄色い歯を見せにやりと笑い、玄関に向かって、そそくさと逃げ出した。
神様、俺、やっぱりあんたについてくの辞める。

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