僕の気持ち 私の気持ち SS
「てか、まゆう。ワン切りすんなよな」
俊が笑いながら私を抱きとめている。
「ご、ごめんなさい……」
「じゃあ、罰ね。目、つぶって」
「えっ?!」
もっ、もしやっ。
俊一、お得意のでこぴんっ?!
いやいやっ。
あれ、痛いもん。
すんごく痛いもん。
俊の指ではじかれたら、おでこ真っ赤になっちゃうもん。
「ほらっ。目、つぶるっ!」
有無も言わさぬ態度に、私はぎゅっと目をつぶる。
そしたら、ふわって俊の香りがして、柔らかな感触。
あ……俊の唇。
「しゅ……ん……?」
「バカ、まゆうっ。だまされてんの」
俊は面白がって、ケタケタと笑う。
だって、だって。
いつもでこぴんするからっ!?
ふくれた顔をして俊を見ると。
「繭羽、逢いたかった」
今度は優しく抱きしめられた。
「私も」
おしまい