月光の降る世界へ
「総兄――――!遊んで――――!!」
屯所にはいつも、ある時間になったら小さな子達が来る。
「いいですよ。何をするんですか?」
「今日はね――――鞠つきするの!!」
この笑顔を見ているだけで、癒される。
・・・・・・どれだけ後ろから、睨み付けられてもね。
「総司・・・・・・お前、組長だろうがっ!
稽古行け、稽古!!」
「わぁぁぁっ」
土方さんの顔と声に驚いた子供達が、僕から離れていってしまった。
僕の前に残ったのは、あの子達が持っていた、綺麗な鞠だけ。