月光の降る世界へ


「俺が、お前に頼んだことだよ」


「――――あ」



やばい、と思ったときには僕の体は吹っ飛んでいた。


壁に体が当たり、衝撃に息が詰まる。



「うっ! ガハッ」


「なんで教えたんだよ!?」


鬼のような形相で、蹴ったり踏みつけたり・・・殴ったりする父さん。


痛かった。


体ではなく、心が軋むようだった。


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