月光の降る世界へ


佐之さんからは、雨の匂いに混じって血の臭いがした。


誰か斬ったのだろうか?



「やばい・・・」


「何がです?」



そのただならぬ焦りように、なんだか僕も焦ってしまう。



「お前が、一緒に遊んでた子が・・・」


息を整えて、告げられた言葉に頭が真っ白になった。



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