月光の降る世界へ


小さく頷いた少年に、そっと近づく。


すると、その少年も僕に近づいてきた。


人見知りなのか、ちょっと俯きぎみの誠太郎。


だけど、僕の背後を見て、一目散に走っていった。


何があるのか分からずに、後ろを振り向く。



「あ・・・・・・」


「総司・・・・・・子供とお遊びとはのんきなことだな・・・・・・?」



うん、かなり怒ってるね。


私はポイッと、土方さんの“豊玉発句集”を投げ出し、逃げる。




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