月光の降る世界へ
それを僕が聞いた瞬間、誠太郎の顔が歪んだ。
泣きそうな・・・怒っているような・・・
複雑そうな顔だった。
「父さんが・・・僕を利用してたの・・・僕、知らなくて・・・」
目から、涙が伝っている。
たぶん、お父さんに騙されていたのよりも、騙されていた自分自身が悔しいのだろう。
「大丈夫です。 僕が、お父さんを倒しに行きますから」
そう言い、さっき新調してきた刀を掴む。
立ち上がろうとすると、クイッと引っ張られた。