蒼碧
電気もつけずに、部屋に佇んでいるとスッと襖が開いた。



「安芸」


「はい…」



僅かに視線を向ければ、そこにはお父様がたっていて。



「行きなさい」


「はい」


「それから、明日はそこに泊まれ」


「はい」


「別な人が来る」


「はい」


「明後日、帰ってきなさい」


「はい」



明後日…


その日には、お兄様はもう海外へと戻っていらっしゃった。
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