蒼碧
「雅っ!!」
痛さに歪む瞳を僅かにあけると、お姉さまの後ろからお父様と家の人たちが入ってくるのが見えた。
「やめなさい!雅っ!!」
なんとか私からお姉様を離そうとするものの、なかなか、髪を掴んだままのお姉様は力を緩めようとしてくれない。
何度も頭を揺らされ、意識がもうろうとしてくる。
「どうしてっ!!あんたはいつもいつもっっ!!私の邪魔をするのよ!」
「雅様っ!」
雅のお付の、蔵宇都(くらうど)が止めにかかる。
その姿に、安心して、瞳を閉じた。