蒼碧
――・・・



「……き」


「…ぁき……ま」


「安芸さま…」



聞こえてくる声に、僅かに瞳を開けると



「……蔵宇都」



お姉様のお付の蔵宇都が私が眠る布団の傍にいた。



「大丈夫ですか?どこか痛むところは」


「…平気です」


「……先ほどは、申し訳ありませんでした」


「あなたがしたことでは、ありません。そうでしょう?」



今、笑える精一杯の笑顔で、蔵宇都に笑いかけた。
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