蒼碧
ただ―…



「愛人の娘、か…」



だから、表舞台には立たせないというのか。


しかも上がってきた報告書には中卒のままの履歴しかない。


松田は、小さな声でこう話す。



「なんでも、春河 由連の命令で何度も会食と称しながら、さまざまな人物と体を重ねているようです。春河も、重要な案件には、必ず安芸さんを差し出すようで」



それを、もしも15歳の頃から強要していたというのなら、


俺は、報告書を握り締めた。
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