蒼碧
「それは、当たり前のことです」
小さな頃から、両親はいないも同然の私の傍にいてくれたのだから。
好きだとか、そんな陳腐な言葉じゃ言い表せない。
愛してる、とも違う。
そんな深いところにある気持ちを、言葉にするなんてできるはずもなかった。
「蜜季が、私のお付きになった時は、悲しくて、泣いてたわね、あなた」
「………」
今更、何年も前の話を蒸し返してどうしようというのだろう。
私は、お姉様を真っ直ぐに見つめた。