蒼碧
「お嬢様へのプレゼントです」
「……誰、から…」
「私からです」
「………」
蔵宇都は、昔から私にお誕生日の贈り物をくれた。
そういわれて、そうだ、今日は私の誕生日だったのだと思い出す。
誕生日…私は18歳になった。
私は、蔵宇都からのプレゼントをあけることもなく、料亭に着いた。
「お嬢様」
「今日は、待たなくていいわ」
「…待っています」
「こないだみたいにお姉さまに色々言われるのは、正直困るの」
「―…待ちます」
「…帰って」
私の強い否定の言葉に、蔵宇都は驚いたかのように振り向いた。