蒼碧
でも、それも――…



「もう、限界です」


「…そう」



あっさりと自分から離れていく雅お嬢様に、安堵のため息を零す。



「あの男」


「……はい?」


「あの、重蔵さんを今度安芸にあてがおうかしら」


「………」



重蔵さんというのは、春河家とも何度か仕事をしたことのある方。


いい仕事はするのだか、かなりの性癖を持っていると評判だった。


それを安芸お嬢様に…?
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